1/22/2015

№37 役に立つ投資と、役に立たない投資

   あなたの投資は、役に立っていますか?日本のGDPは、現在世界3位です。GDP(国内総生産)は、消費、投資、貿易黒字(輸出-輸入)の合計ですが、消費が低迷しているので、無理に投資を増やしているのが日本の現状です。

   投資は、基本的にリターンがあるから、やるものですが、日本の公共投資は、失業者対策の福祉的側面があるため、費用対効果が考慮されていない事業が目白押しです。発電にも、農業、工業用水にも使われない群馬県の八ツ場ダムには、4,600億円が使われます。

   高度成長時代にも、無駄な投資は、多数ありましたが、消費が伸びていたので、それほど深刻な問題ではありませんでした。しかし、工事は、一時的に雇用を生み出し、工事従事者の消費という恩恵があるものの、工事が終われば、雇用も消費も消滅します。

   今一度繰り返します。あなたの投資は、役に立っていますか。あなたの投資したお金が、例えダイレクトにあなたに返って来ないとしても、それが、誰かのもとで、人を豊かにしたり、幸せにしていますか。私のフィリピン人への投資は、自信を持って役に立っていると断言できます。

1/19/2015

№36 円建て資産はハイリスク資産

ぬ   スイスフランがユーロに対して先週3割近く高騰して、FX業者がつぶれたり、大損した投資家がいるようです。為替の世界は、商品相場と同様に素人には難しいと、永らく言われてきました。

   しかし、FXが普及して、手持ち資金の100倍以上に信用で購入できるようになったので、経済や為替の知識がない人まで、市場に参加するようになったのです。8割の人が損して、プロと胴元のFX業者が儲けるバクチのようなものです。 9割以上の人が損をする宝くじよりはマシですが、夢をみたいのは、分かります。

   円安が進み、1ドル120円前後になり、実に数ヵ月で円の価値が、3分の2に目減りした計算です。円安になったおかげで、割安な日本の株式市場に、外貨が流れ込んでいます。それが、日経平均18,000円前後の活況を生んでいます。

   しかし、今後の東京の株式市場では、いかに売り抜けるかが、課題です。2020年の東京オリンピック後の経済低迷が見えているからです。半数の外国人投資家が日本人の1,600兆円の金融資産を狙って、チキンレースをしかけてきます。国内の円建て資産は、ハイリスク資産となりかねないのです。(画像はロイターニュース)

1/17/2015

№35 日経新聞を読まない理由

   日本経済新聞といえば、ビジネスマンが毎朝、目を通すべきといわれる新聞です。電子版合わせて発行部数300万を超える世界トップの経済メディアですから、ビジネス界では、あいさつ代わりに、紙面の内容が交わされます。

   しかし、この15年間、出張でホテルに宿泊する場合以外では、私は日経新聞を読んだことがありません。私の仕事は、経営コンサルタントなので、本来読んでて当然でしょうが、あえて読まないのです。それは、なぜでしょうか。

   それは、必要があれば直接経営者や、現場の方に、お話を聞けばいいと思うからです。日経新聞は、広告主や読者にウケる記事を掲載します。また、記者が取材しないエリアの情報は、ありません。

   例えば、フィリピンは、現在高度成長の真っ最中ですが、日経では、殺人、誘拐、災害の記事しか掲載されません。一方、欧米メディアには、フィリピンは最有望の市場の一つとして、投資家向けに連日情報が提供されています。常識は、メディアにより作られていることを認識した上で、取捨選択すべきなのです。

1/11/2015

№34 チャンスはチャンスのかたちをしていない

   チャンスは、チャンスだと明確に分かるかたちをしていません。なぜなら、分かりやすければ、万人が気付き、もはやチャンスではないからです。だから、大半の人はチャンスが目の前にきても、気づかないで見送ります。

   例えば、フリースという素材が存在していたのに、それをカジュアルウェアに使おうと誰も思いませんでした。ユニクロのオーナーの柳井氏は、そうは思わなかったのです。ゴミをリサイクルしたフリースが素材の洋服を喜んで着る人を想像できたのです。

   ヤマト運輸の、故小倉昌男オーナーは、松下電器(現パナソニック)、三越といった大口顧客を切り捨て、個人間の小口貨物に特化した、宅配便ビジネスに業態転換しました。2人の傑出した、オーナーがユニークなのは、それぞれ早大卒、東大卒というエリートにもかかわらず、先入観や、世間の常識にとらわれなかったことです。

    高学歴かつ一般的に高い職歴を持つ人は、ともすれば過去の成功体験にとらわれ、物事を判断しがちです。チャンスをつかむには、あなた自身の心の曇りを消して、情報や状況に真っ直ぐ向き合うことです。例えあなたより、学歴職歴が劣っていても、あなたにチャンスを持ってきた人の話を真摯に聴き、十分に理解した上で、判断する姿勢を持ちたいものです。(画像は、ヤマト運輸およびファーストリテイリングのウェブサイト)



1/07/2015

№33 海外スモールビジネスの業種(2)

   海外スモールビジネスに適した業種の続きです。スモールビジネスで、以外に知られていないのが、輸出入業です。一部の書類を除けば、ウェブと電話で、手続きが完結でき、お客が訪問してくることもないので、事務所も必要ありません。

   では、何を輸出するのか。それは、農産品および加工食品です。なぜなら、生産者のほとんどが零細規模で、自力で売る力がないからです。さらに、一般品に比べ複雑な輸出入手続きが、待ち構えています。さらに、円安になったものの物価水準の高い日本産品が売れるのでしょうか。

   先進国でありながら、大農業国であるフランスにヒントがあります。例えば、シャンパーニュは、原産地、製法、原料が揃っていなければなりません。エシレバターも同様です。EUには Appellation d'Origine Protégée(原産地名称保護)という制度があり、生産量が管理されているので、高くても売れるのです。

   海外の高級レストランには、国内でも手に入りにくい日本酒が提供され始めています。山口県の旭酒造は、「獺祭」で有名ですが、その最高級品は、1本10万円をはるかに超える値段で売られています。海外での高級日本食材の需要は高まっています。きちんとした生産者、物流業者と組めれば、輸出入業は、スタート可能です。(画像は旭酒造のウェブサイト)

1/05/2015

№32 90%の多数派より行動する10%の少数派

   今日は、正月早々、15歳の娘に対して、これからの日本と、グローバルレベルの変化について学校では教えてもらえない、重い話をしてしまいました。30分位でしたが、最後は脳の処理能力を超えて困惑していたかも知れません。

   今の日本は、これからどうするかという内向きの議論に終始しています。海外から見た日本、日本の外で起きていることという視点に欠けるのです。例えば、フィリピン発のニュースは、殺人、誘拐、強盗、インド発は、名誉殺人、レイプと、マスメディアが片寄った情報を提供しています。

   世の中は、90%のサイレントマジョリティー、すなわち、物言わぬ多数派により成り立っているといわれます。予定調和的な情報は、安心感があるので、受けるのです。現在の日本は必要以上に空気を読んでコミュニケーションする社会なので、予定調和を崩す情報は、マスメディアが流しにくくなっています。

   今後5年間のオリンピックまでの準備期間は、その後に訪れる不況に耐えるための体力増強の時期です。海外投資家は、2020年までに、いかに日本国内資産および円建て資産を売り抜けるか画策しています。そして彼らから目減りする不良資産を売り付けられるのが、物言わぬ90%のサイレントマジョリティーです。

   経済は、ある意味、多数の人間の心理行動に基づくので、私のような意見を持つ人間が多数派だと、更に経済が悪くなりかねないので、現状を否定はしません。しかしこのブログの賢明な読者の皆さんには、行動する10%の少数派として、今後の変化を乗りきって頂きたいです。(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会ウェブサイト)

1/01/2015

№31 希望の持てる2015年に

   新年おめでとうございます。今年もよろしくお付きあいお願いします。お陰様で、ブログ立ち上げ2カ月、「海外スモールビジネス」で検索すると、GoogleでもYahooでもトップに掲載されるようになりました。

   さて、2015年ですが、マスコミや一般大衆の間では、暗い、危機感をあおるような極端な表現が多いです。しかし、明るい話題もあるのです。世界70億人の人口の内18億人が10歳から24歳の若者です。地図上では、若者の割合が多い国はアフリカに集中しています。

   われわれの身近なアジアでは、フィリピン、ラオス、バングラデシュ、ネパール、パキスタン、アフガニスタン、イラク、シリア、イエメンが若者の比率が30%を超えています。すなわち、今世紀は、こうした国の若者が、世界の多数派になっていきます。

   皆さんが余裕あれば、是非こうした国の出身者と仲良くなりましょう。間違いなく、人生観が変わるほど、豊かな発想力、価値観が得られるはずです。今は貧しくても、未来永劫貧しい国は、あまりありません。日本だってかつては相当貧しい国でしたから。(参照:朝日新聞1月1日朝刊)