11/27/2014

№19 マイクロビジネスのススメ

   このブログのタイトルのスモールビジネスは、起業して、会社運営といった大げさなイメージがあるかも知れません。しかし、このブログの趣旨は、個人単位で、本業をやりながら、空き時間でもできる小規模なビジネスに興味を持って頂けたら嬉しい、ということなのです。

   ITバブルが盛んだった2000年前後に、マイクロビジネスという言葉が登場しました。数万円の初期投資で、月に数万円の収入源を持つというイメージです。インターネットの黎明期だったので、ネットで稼ぐという流れに乗ったものかも知れません。

   しかし、余りに多くの方が同じことをやり始めたため、余り儲からなくて、辞めた方が多かったようです。特に物価水準が高い日本では、数万円のために、新しいことをやり続けるのは、面倒に思えたのかも知れません。

   確かに数万円は、日本では、会食や買い物で消えてしまいますが、物価水準の低い、発展途上国では、大卒若手の月収に相当する場合が多いのです。直近のリターンは、少ないですが、経済成長とともに、長期的なリターンが見込めるのです。

11/24/2014

№17 日本式ビジネスの競争力

  日本式ビジネスというと、過剰品質でガラパゴス化した日本製品のイメージが浮かびます。国内に競合企業が多いために、他社と差別化するために常に改変が求められたからです。

   しかし、小売業、サービス業の世界では、この過剰とも思える品質が、付加価値として、海外で競争力を持つ場合があります。例えば、コンビニエンスストアという業態があります。

   元々コンビニは、米国で生まれたビジネスです。1970年台にイトーヨーカ堂が、セブンイレブンの日本国内での営業権を米国サウスランド社から買い取り、国内で17,000店を展開させています。

  コンビニ本家の米国本社が、経営危機となり、日本のセブンイレブンが、逆に買収。日本の単品管理を導入し、店員の意見を仕入れに反映させるなど、日本式により復活。米国でも1兆円を超えるビジネスとなっています。日本式の付加価値は、スモールビジネスでも活かせるはずです。(画像は、NHKスペシャル11月8日放送分)

11/20/2014

№16 リスク軽減がカギ

   取りあえず会社を設立して、事務所借りて失敗するケースは、後をたちません。海外で会社を立ち上げて、オーナーというと聞こえは良いですが、立ち上げてから大変です。

   業種によっては、外資規制があり、外国人の出資比率が制限されます。そのため、現地人パートナーの名前だけ借りる場合があります。例えば、フィリピンでは、外資100%の会社の場合、最低資本がUS20万ドル(約2,300万円)必要なので、現地パートナーと、共同出資のかたちを採ります。

   気を付けなければならないのは、信頼できるパートナーかということです。事業が軌道に乗り、パートナーから裁判で実質的な経営権、所有権が取り上げられてしまうことがあります。

   軌道に乗らなければ、経費が発生し続けます。法人税などの税金はともかく、発展途上国の場合、役人への賄賂を要求されることがあります。スポンサーになるにも、事業主になるにもリスク軽減がスモールビジネスのカギです。

11/19/2014

№ 18 2050年の世界

   「2050年の世界」という本があります。
36年後、世界がどのようになっているか、という大胆な予測に関する本です。かなり先の話なので、次世代に興味のない方には、大きなお世話かも知れません。

   将来予測は、多くの場合、悲観的なものが多く、外れることも多いです。例えば、私が小学生だった頃、石油は30年以内に枯渇するといわれていましたが、30年以上経た現在も、枯渇していません。食糧不足も、同様です。

   「2050年の世界」は、英国のエコノミスト(Economist)という雑誌の編集部がまとめた本です。エコノミストは、日本の高度成長が始まって間もない1962年に、Consider Japan(邦訳タイトルは「驚くべき日本」)という特集で日本の経済大国化を予測し、的中させたメディアです。

    エコノミストは、人口規模、人口増減、年齢別人口構成に早くから着目したため、確度の高い予測ができたのです。日本は残念ながら、この本の主役ではありませんが、次世代に何を残せるか、参考になるはずです。
  

11/18/2014

№15 円安から個人が防衛できること

  日経平均株価が17,000円を割り込みました。安倍政権が消費税の10%へのスケジュールを先送りすることへの、市場からの警告メッセージと思われます。

   興味深いのは、株価が下がったのに、円も安くなっている点です。円安で日本からの輸出が増え、輸出企業の業績が改善されるという期待で、株価が上がるというサイクルが崩れたのです。

   これは、深刻な事態です。円安で輸入コストが上がり、将来的に製品価格に転嫁され、物価が上昇します。一方、対外通貨に対して円安で、円建て預貯金などの資産が目減りするのです。

   金融資産については、外貨建てに移すことでリスクヘッジできますが、容易に現金化できない不動産は、リスクの高い資産となります。中国人富裕層が購入するような、高額物件は良いのですが、人口減少と高齢化で需要が減り、長期的に価値が目減りしています。

   さらに問題なのは収入源です。日本での給与収入は、ごく一部の外資系を除き、日本円で受け取っています。円安は、長期的なトレンドと考えられるので、リスクヘッジするには、収入源の一部を外貨建てにする必要があるかも知れません。

11/17/2014

№14 ビジネスパートナーの文化を理解する

   海外進出が上手くいっている個人、企業に共通するのは、相手国、ビジネスパートナーのバックグラウンドを理解しようと努力していることです。

   日本国内では、かつては単一民族、単一文化という認識が一般的でした。確かに、共通語の日本語の普及が行き届き、教育内容も共通化され、その状況は安定していました。日本に定住する外国人にも、日本化が求められました。

   そのため、日本人が海外文化と接するとき、異文化と距離をおき、異なるものとして、解釈せずに、片付けてきたように感じます。ごく少数の留学経験者、海外勤務経験者しかいなかった1980年代までは、です。

   しかし、2014年6月現在で、日本国内で在留資格を持つ外国人は、208万人。60人に1人は、外国人です。彼らは、様々な宗教、文化、教育のバックグラウンドを持っています。キリスト教でもカトリック、プロテスタントという違いだけでなく、多数の宗派があります。

   宗教、政治の話は、社交上は、タブーと言われます。親しくなるまでは、食文化の違いは、相互理解の潤滑油になります。幸い日本人は、食文化に関しては、多様性を受け入れる懐の深さがあります。料理一皿、お菓子一切れでもいいのです。簡単なところから興味がわけば良いのではないでしょうか?

   (写真は、フィリピンの魚料理と、日本の焼きそば)

11/15/2014

№13 BRICsとNEXT11

   世界の経済成長を考えるとき、BRICs4カ国、すなわちブラジル、ロシア、インド、中国は欠かせません。いずれも人口大国または、および資源大国です。

   しかし、個人でできるスモールビジネスに関しては、この4カ国は、少しハードルが高いような気がします。そこで、BRICsに次いで発展するといわれるNEXT11に着目してみましょう。

   インドネシア、フィリピン、トルコ、韓国、イラン、パキスタン、バングラデシュ、メキシコ、ベトナム、エジプト、ナイジェリアです。こちらも韓国を除けば、人口大国です。
   ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニール会長によれば、その中でも特に有望なのは、トルコ、メキシコ、韓国だといいます。所得や発展レベルが高いため、成長の条件が、整っているからだそうです。

   そして、従来からの新興国である、インドネシアとフィリピンが、それに続くという。生産性が向上すれば、との条件付きですが…   これは、あくまでも金融業界からの視点なので、消費型ビジネスからは納得がいかないかも知れません。