12/29/2014

№30 文化を知るには言語、文学

   今日は、タイのバンコクにオープンする和牛レストランの責任者の方とミーティングでした。タイには、日本の自動車産業が多数進出しているため、常駐している日本人が、4万5,000人いるそうです。製造業は成熟市場ですが、飲食業は、これからです。

   お会いした方は何と、日本での生活を整理され、片道切符で覚悟を決めて赴任されるようです。通いはじめて5年とのことですが、文字が異なるタイ語には、苦戦されているようです。むしろ外国人にとっての漢字、平仮名の如く、タイ文字はハードルが高いです。

   その場合、翻訳本を通して異文化に触れてみては、いかがでしょうか。外国文学というと、欧米モノに偏りがちな日本人ですが、各国に良い本があります。是非時間のある正月休みに、トライされてはいかがでしょうか。

   さて、筆者は年末穴場のベトナムリゾートで今頃、333ビールを傾けている予定でしたが、今日は夜もフィリピンビジネスミーティング2件目でした。少し早めですが、皆様一年お疲れ様でした。来年も駄文にお付きあい、よろしくお願いします。

12/28/2014

№29 海外詐欺の手口

   私が海外ビジネスに関わっていることを聞き付けた知人が、最近、投資の話を持ってきました。投資ですから、リスクはつきものなので、とりあえず聴いてみることにしました。何と金の鉱山の話でした。まさに山師ですね。

   ストーリーは、良くできてました。若い頃に海外を放浪していた時に、少数民族のゲリラにさらわれた。その後、再会し意気投合し、鉱山の採掘の権利を得た。採掘には、ファンドの投資が決まったが、調査費用が、足りない。2日以内に振り込まないと権利を失う。手数料払うから投資してほしいというのです。

  著名な日本の政治家や財界人と一緒に写った写真、採掘許可書の写し、現地有力者と一緒に写った写真などを見せながら、巧みな話術で説明が続きます。一般人が、確認しにくい資料や、時間的な切迫感が詐欺のポイントです。しかし、投資が決まったファンド向けの提案書や事業計画書が抜けています。

   紹介者がビジネスパートナーであれば、顔を潰さないように、お付きあいしても良かったのですが、おそらく紹介者自身が、お金を払ってしまったので、取り戻すために、次の犠牲者が必要なのです。皆さんの周りにも、いずれ投資話が来ますが、本物をつかむようお気をつけください。
(詐欺注意喚起情報https://www.jetro.go.jp/contact/faq/419/)

12/26/2014

№28 他人を儲けさせていますか?

   起業するときは、立ち上げるだけで精一杯です。ビジネスが軌道に乗って、ひとまず安心します。問題は、その先です。そのビジネス自体が、継続性があるかどうか。そして、あなた自身が、モチベーションを維持し、運営していけるかです。

   私が海外スモールビジネスをお勧めしても、あまり興味を示さない方々はいます。海外に興味がない場合は、興味が湧くようなお話をすれば良いです。しかし、一攫千金を狙うタイプの人は、少額の利益を長期に渡って得ることは、面倒なようです。

   個人で比較的大きな利益が見込めるといわれるものに、FX (外国為替証拠金取引)があります。手持ち資金の数百倍を為替の上下に賭ける金融商品です。しかしこれは、胴元の金融業者が確実に儲ける丁半バクチと変わりません。為替は24時間変動しますから個人で勝ち続けるのは、難しいようです。

   また、勝って利益を得ても、個人だけが儲かって、周囲には恩恵が行き届かないため、モチベーションの維持が困難です。アリババの創業者、ジャック.・マー(馬雲)は、「他人を儲けさせろ。そうすれば自然に自分も儲かる」と言っています。あなたの関わっているビジネスは、他人を儲けさせていますか?

12/15/2014

№27 希望が弱まる日本と次世代に残すもの

   今回の衆議院選挙では、過去最低の投票率でした。実に有権者の半数近くが、権利を放棄したのです。特に20代の推定投票率に至っては、 3割前後です。もちろん世代の近い立候補者ジェネレーションギャップや単なる無知、という理由で放棄したかも知れません。

   しかし、最大の理由は、日本の将来について諦めていることです。これから、年金問題など大変な時代になる、と脅されてばかりなので、不感症になっています。一方、諦めていない層は、日本脱出を計っています。特に、女性はコミュニケーション能力、語学力が高いので、国内の外資系企業勤務を経ずに、直接海外で働くケースも多いです。
(写真は、朝日新聞朝刊)
   給与は、現地通貨建てなので、給与水準の高い、欧米各国や、シンガポールを除けば、円建てでの収入は、減少します。しかし、10年後はどうでしょうか。低賃金の職場ばかりで、円安の日本にしがみついている人たちを大きく引き離して、豊かなライフスタイルを送る女性は多いでしょう。

   男性は、女性に比べて収入面で優遇されている日本では、比較的保守層が多いですが、まさにゆでガエル状態です。経済状態が悪くなっても行動せず、その時になったら考えるというスタンスです。その時になってからは、遅いのです。

   そして次世代のことです。このブログの読者層の皆さまが死ぬまでは、過去の蓄積で日本はそこそこ安泰です。しかし、皆さまのお子様、甥姪はいかがでしょうか。子どもや、甥姪がいないから自分たちだけ楽しく暮らせれば良いという人々は、頑張って資産を使い尽くすまで消費してもらいましょう。しかし、そうでない心ある人々は、自分の資産を維持、増加させるため責任を持って行動すべきです。

12/11/2014

№26 個人も一部海外移転しませんか

   製造業が、製造コスト削減を目的に、工場を海外移転するのは、一般的です。それ以外に、為替変動に伴うリスクを軽減する意味合いもあります。長期円安傾向なのに、国内に工場が戻らない理由のひとつです。

   円安によって、海外現地法人から、日本に輸出する際に、現地通貨ベースの売上が増えるのです。中国元は、20円間近ですが、この1年で、3割以上円安、すなわち中国現地法人の日本向け売上は、円換算で3割以上増えた計算になります。円換算で連結決算する企業にとっては、単に輸出しやすいという以上のメリットがあります。

   為替リスクは、個人にもあります。例えば、日本国内の不動産は、既に都心の高額タワーマンションを除けば、外国人の購入意欲は減っているそうです。買っても、円安で資産価値が目減りするからです。不動産で資産運用は、永らく安定的な資産防衛手法でしたが、黄信号が灯っています。

   元モルガン銀行東京支店長で伝説のディーラーといわれる藤巻健史さんは、筋金入りの円安論者で、ドル建ての金融商品を推薦しています。円高が続いた時期には、狼少年呼ばわりされましたが、ようやく彼の時代が来たようです。企業だけでなく個人も外貨建て収入源、もしくは外貨建て資産でリスクを分散すべきです。

12/10/2014

№25 欲のない20代を救う海外ビジネス

   ビジネスの立ち上げで、しばしば20代と接することがあります。驚くのは、お金に興味がない、もしくは稼ぐことが、カッコ悪いという風潮があることです。バブル末期に社会人になった筆者には、信じがたい現実です。この号のタイトルも大きなお世話かも知れません。

   生まれながらにして、両親は持ち家、望めば、大学に行かせてもらえる。一方、親が勤務先でリストラに合い、痛い目をみている体験もしています。端的に言うと、あまり日本の現状に期待していないのです。個人単位では、感動することもあるのですが、具体的な夢を持つ人は少ないです。

   彼らの琴線に触れるのは、実は人の役に立つことです。阪神大震災が、幼少期、東日本大震災を大人になって迎えます。無情感もありますが、生き残った、もしくは災難に合わなかった幸運を、何か意義のあることのために使いたいのです。ですから、NPOに良い人材は、集まりますし、ボランティアには、熱心です。

   こうした構図を利用して、低賃金で人材を搾取する企業は、少なくありません。人のためになる自分のビジネスが、彼らを貧困から救うキーワードかも知れません。相対的に貧しい発展途上国には、豊かな日本の20代を必要とするビジネスが眠っています。

12/09/2014

№24 元海外駐在員はピンキリ

   海外ビジネス立ち上げで、現地に行くと必ず出会うのが、日系の大手企業の元駐在員です。彼らは、高学歴で、競争を勝ち抜いたエリートですから、能力は高く、語学もできるし、現地事情にも明るいです。

   ホテル、レストランや夜の歓楽街には、大変詳しいので、不慣れな土地では、大変頼もしく、有難い存在です。しかし、事業のパートナーとしては、どうでしょうか。

   彼らが大手企業で働く限り、事務作業や雑務は、現地採用スタッフに任せきり。PCや、手を動かす仕事は、苦手です。一方、現地の提携企業や、政府高官とのパイプ役としては、いかんなく能力を発揮するのです。

   駐在国が発展途上国の場合、自宅にはメイドがつきますし、移動はお抱え運転手です。こうした生活に慣れると、もうやめられません。彼らは時間軸も現地化するので、日本式の対応を期待するとガッカリします。大手企業の元駐在員だから大丈夫だろう、という甘い考えは禁物です。